TOKYO FLAT

Conservation​について

01 About T.F.C

”地球”の歴史の中で、環境は目まぐるしく移り変わってきた。

その中で魚たちは「死滅回遊」と言うトライを繰り返し、

時(タイミング)を得たものだけが、定着してきた。

「大都市・東京」の目の前の海。

そこに残った小さな干潟<TOKYO FLAT>に、

度重なる死滅回遊のチャレンジの末に

”時を経た”

素晴らしい魚がいることを

あなたはご存知だろうか?

​そんな素晴らしい魚と遊べる”時”を得るチャンスだ。

魚とフックポイントが繋がることは、

まさに”天文学的確率”の末。

しかしその”確率”を日常で感じることができるのが、

”釣り”である。

「魚類生理学」「魚類行動学」「魚類分類学」など、

専門を極めようとすればきりがない。

しかもそれぞれは独立し、

一概に釣りの条件に当てはめることはできない。

なにより我々釣り人が学びたいのは、

「魚類”心理学”」とでも表現しようか、

そう、極めてどうしようもなく、

定義できない世界。

人間は他の動物とコミュニケーションが取れるのか?

サイエンスの世界では、証明が難しい。

しかし”釣り”は魚とのコミュニケーションの上に成り立っている。

釣りに真摯に向き合うほどに、

それを確実なものとして感じてくる。

魚類”心理学”の追求こそ、釣り。

それは無限の解釈の余地を秘め、

哲学でもあり、生涯学習。

 

「見つからない答えを探す」のがツリビトと言う生物の本能であり

「見つからず、もがき、妄想する」ことに

何よりの幸せを感じる。

釣り人の最後のフィールド

”Sanzu River”まで、

魚類心理学の追求は続く。

T.F.Cのメンバーには魚類学、水産学を学んだ者も多いが、

ここではあくまでも「釣り人」として、

あえて擬人化して遊び相手を洞察してみたい。

<Acanthopagrus latus>

標準和名をキチヌとし、

釣り人たちからはキビレと呼ばれるこの魚は、

これまでの日本の釣りにおいて、

あくまでもクロダイ(同schlegelii)の「外道」と言う印象が拭えなかった。

かつて庄内藩で武士の精神鍛錬のために奨励された

”道(どう)”

とも呼べる歴史を持つほど、

クロダイの「中り(あたり)」は繊細。

これは”警戒心”の高さを、

表していると言えるだろう。

一方でキビレは、

現代のクロダイを狙った落とし込み釣りやダンゴ釣りにおいて

「雑」とも形容できる、

大きな中りが出る。

これが「道」を極める者にとっては

「外」の存在とされてきた理由だろう。

「繊細」なクロダイに対してキビレの「雑さ」は、

”好奇心”の高さを、

表していると言えるのではないだろうか。

”何かがあれば近づいてみる”

”とりあえず、食べてみる”

”大胆不敵に様々な場所に侵入してみる”

これが彼女たちの”性格”であり、

生き残り戦略なのである。

そんな性格のためか、

近年東京湾の干潟「TOKYO FLAT」への侵入を果たし、

Flyfishingの「本命」として光り輝く存在となっている。

クロダイを含めたヘダイ亜科は

オスからメスに性転換する魚であり、

大型の個体の多くはメス。

だから「彼女」。

杉浦雄三氏をはじめとした

パイオニアスピリットあふれるFlyfisherにより、

浜名湖を皮切りに、

クロダイやキビレがFlyfishingの対象魚としての地位を獲得した。

 

古くから「釣魚」としての価値が高かったこの魚たちは、

その容姿も素晴らしい。

無骨で燻し銀なイメージのクロダイと、

やんちゃで煌びやかなキビレ。

この魅力溢れる魚たちをFlyfishingで射止めるため、

あっと言う間に日本各地に開拓の同志が現れ、

今ではローカライズされたスタイルが各地に存在するまでに至った。

それはTOKYO FLATでもそうだった。

コンクリートだらけの大都会の足下で、

したたかに棲息域を広げていた「野生」は、

ベテランFlyfisherたちの年間スケジュールを狂わせ、

ビキナーFlyfisherの週末を奪う。

これまで、

東京を脱出し川の上流を目指したFlyfisherが、

河口の干潟を目指すようになった。

そこは、

​リアルな”泥沼”。

彼女たちが分布域を拡げた要因として、

いわゆる”温暖化”が影響しているだろう。

しかしそれが人間によるものなのか、

地球のサイクルによるものなのか、

そんな事は、

この際どうでも良い。

誰がなんと言おうと、

自力で生息域を拡げた彼女たちは

”在来魚”だ。

ヒトは本来、自然に与えられた環境で、

”釣り”を楽しむものだ。

彼女たちは、

遺伝子汚染が危惧されるような放流魚でもない、

紛れもない

”Native fish”。

この時代に生きる日本のFlyfisherは幸せだ。

生態系が移りゆく、

その”真っ只中”を体験できる。

そして情報過多の時代にあって、

「わからない事だらけ」

の釣りが存在する事は、

なにより貴重だ。

 

ただ、

「今」を生きる我々は、こんな事も知っている。

釣り場が潰れるのは、

あっと言う間。

都会に生活の拠点を置いている我々は、

もしかしたらこれまでに、

知らぬうちに地方の釣り場を潰していたかもしれない。

TOKYO FLATでは都会に暮らす者が、

ロコアングラー。

さて、どう楽しむか。

キビレは、

個体数をはじめとした生態すら分からない魚であり、

無秩序なままでは、

フィールドはあっと言う間に…。

TOKYO FLAT Conservation (以下T.F.C)は、

東京湾の干潟における

キビレやクロダイを中心としたフライフィッシングの情報を共有し,

フィールドを保全しながら楽しむことを目的とする。

釣り人の「妄想」や「希望的観測」。

これは、自らが楽しむ事には大いなる価値観を持つが、

データとして残すにはやはり、

客観的な「科学」の目が必要だと感じる。

T.F.Cでは研究機関や

JapanGameFishAssociation(JGFA)の取り組みに参加し、

客観的なデータを積み上げ、共有していく。

そして一方では、

釣り人の「妄想」や「希望的観測」も大切にしたい。

 

このサイトには、

”釣り方”の詳細や

”釣るためのノウハウ”は、

ほとんどない。

その代わりに、

都会の日常の中にある”釣り”と言うアソビを通した、

多くのフライフィッシャーの

笑顔や苦悶の姿は、たくさんある。

”ライフスタイルとしての釣り”の価値を見出し、

”身近な夢”を抱いていきたい。

所作や釣果を競うだけではない

”釣りの楽しみ方”を、

存分に感じていただきたい。

真昼間の大都市で、

ネイティヴと遊べるフライフィッシングフィールドは、

世界広しと言えど、そうはない。

そんな奇跡のようなフィールドを未来永劫楽しみたい。

いや、時代に応じて違う魚が繁栄するなら、

その魚たちと遊びたい。

生息域を拡大していく真っ只中を

「釣り」を通して捉えられることは、

非常に意義のあることだと思う。

未来に向けて、サスティナブルな釣りを。

Tight lines!

2020©︎TOKYO FLAT Conservation

www.kibire.com

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