未来に繋ぐ
「意識」として

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略。
2015年9月の国連サミットで採択された「SDGs」は、国連に加盟する193か国が、
2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標。
17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されている。
この地球規模の取り組みの中に、我々釣り人も意識しておきたいことがある。

「14-海の豊かさを守ろう」と言う目標がある。
さらに掘り下げてそのターゲットを見ていくと、
我々釣り人が意識しておきたい点が、いくつか見えてくる。
<14.4>
水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。
<14.7>
2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。
<14.c>
「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。
海洋生物多様性情報
現状を把握する為の情報が「生物多様性」の管理・保全の為に必要となるのは言うまでもない。
釣り人ならば当たり前の認識であるが、陸地と海は独立した環境ではなく、
互いが密接な関係を保ち絶妙なバランスの上に成り立っている。
陸上の我々は海洋生物に依存し、
海洋生物にとっては海は重要な生育及び生息環境である。
それらの保全の為には、海洋生物多様性に関しての情報を集めなければならない。
生活も多様化した現代では「水辺」は漁業者だけのものではなく、
我々釣り人を初めとした市民の「レクリエーション(余暇)」の場としても、
大いなる社会的価値を持つ。
なにより、<14.7>には、
「漁業、水産養殖及び観光」と定義されている。
その中で、東京湾において漁業・漁獲の対象ではないキチヌは、
その資源量すら未知であり、我々が感じているように、
今まさに生息域を広げつつある遷移の過程にいる観光資源。
将来の魚図鑑。
そのキチヌのキャプションに、
”東京湾”が当たり前の生息地として、記載されているかもしれない。
我々のTag&Releaseや年齢査定などのデータが、
どのくらい役に立つかはわからない。
しかし、釣り人が自らが主体でデータを集めることが、
将来に渡る持続可能な釣り場(レクリエーション)を作ることに繋がれば、
これほど理想的なことはない。
魚を「獲って」「売る」ことではなく、
「守り」「親しみ」「遊ぶこと」が社会を豊かにすることにつながれば、
これはまさに理想郷。
「遊漁」と言う言葉「遊魚」に変われば、
「魚釣り」と言う遊びが、社会の中でずっと輝く存在になる。
「釣獲」によって得られたデータが、
関係団体や研究機関で生態系の分布などの調査や研究成果に役立てられるなら、
釣りが「環境モニタリング」となり得る。
フィールドについて考える。
魚について考える。
TOKYO FLATにそんな釣り人が増えれば、
きっとサスティナブルな釣り場になるはずだ。
そのために地球規模の目標<SDGs>を意識してほしい。